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“お湯の温度”ひとつで、コーヒーの味は劇的に変化する!?

コーヒーの味を左右するのは、「コーヒー豆」の種類と「水」だけだと思っていませんか?

同じコーヒー豆、同じ焙煎時間、同じ水を使っていても、全然違った風味、香り、口当たりになってしまう理由。それは、コーヒーを抽出する“お湯の温度”の違いです。

お湯の温度ひとつで、コーヒーの味は劇的に変わります。今回は、自宅やオフィスでドリップコーヒーを淹れる際や、コーヒーメーカーやポットの温度設定などに活かせる、「お湯の温度と味の変化」についてご紹介します。

いつものコーヒーをもっと美味しく、もっと香り豊かに愉しむコツをつかんでください!

 

1.お湯の温度で変わる「抽出速度」

コーヒーの成分が抽出されるスピードは一定じゃない

コーヒー豆から味の成分を抽出するのは「お湯」です。このお湯の温度の違いによって、成分が抽出されるまでの時間にも違いが現れます。

 ■お湯の温度が「高い」→味の抽出スピードは「早い」

 ■お湯の温度が「低い」→味の抽出スピードは「遅い」

味の抽出スピードがお湯の温度で変わるのは、コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶なども同じです。お湯が熱ければ熱いほど、素材の成分は素早く出てきます。

 

2.「苦味と酸味」をお湯の温度でコントロール

抽出されやすい「酸味」と、抽出されにくい「苦味」

お湯の温度が高ければ味が出やすく、低ければ味が出にくくなると紹介しましたが、コーヒー豆の場合、お湯の温度の違いで「抽出される成分」にも違いが出てきます。

 ■ お湯の温度が「高い」→コーヒーの「苦味」が出やすい

 ■ お湯の温度が「低い」→コーヒーの「酸味」が出やすい

コーヒー豆の味を二分するものと言えば、「苦味」と「酸味」です。

産地や品種で特徴はあるものの、焙煎したコーヒーから出てくる成分の「苦味」は抽出されるまでに時間がかかるため、熱いお湯でスピーディーに抽出することで際立ちます。

逆に、「酸味」は、お湯の温度の影響をさほど受けることなく、低いお湯でも素早く抽出されます。

熱すぎるお湯は「雑味」が抽出される原因に

味の効いたフルーティーな味わいが好みの方は「低めのお湯」、苦味の効いたワイルドな味わいが好みの方は「熱めのお湯」で、コーヒーを淹れましょう。

ただし、沸騰しているような熱すぎるお湯で淹れるのは禁物です。味が出すぎてしまい、コーヒーの「雑味」まで抽出されてしまいます。

 

3.焙煎度合いに適したオススメのお湯の温度とは?

浅煎りは「酸味」、深煎は「苦味」が強い

 ■ お湯の温度が「高い」→コーヒーの抽出が早く、苦味が出やすい

 ■ お湯の温度が「低い」→コーヒーの抽出が遅く、酸味が出やすい

コーヒーの味や香りに影響を与えるお湯の温度の基本を、お分かりいただけたでしょうか?

では、こちらの基本ルールを応用し、コーヒー豆の焙煎度合いに適したお湯の温度を考えてみましょう。

コーヒー豆の焙煎度合いは、細かく分けると8種類、大きく分けて「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3種類です。

煎った豆の色を見れば想像できると思いますが、焙煎度合いが“深い”ほど、コーヒーの“苦味成分”は増すので、味が出やすくなります。

また、浅煎りの豆は、コーヒーの“酸味成分”は失われずに残るので、味が出にくいと言われます。

バランスの良い味わいのコーヒーを淹れたいのなら

豆の焙煎度合いを考えながら、バランスの良い味わいのコーヒーを抽出したいのであれば、次のようなお湯の温度設定がオススメです。

 ■ 酸味が特徴の「浅煎り豆」→お湯の温度は「高め」

 ■ 苦味が特徴の「深煎り豆」→お湯の温度は「低め」

 

4.理想的な「お湯の温度」はどのくらい?

理想的なお湯の温度は80℃〜95℃

お湯の温度の「高い」「低い」によって、コーヒーの成分を抽出する時間や、際立つ風味が変わると紹介しましたが、高くても、低くても、お湯はお湯です。

では一体、どのくらいのお湯の温度が“適温”なのでしょうか…。

理想的なお湯の温度は、一般的に80℃〜95℃と言われています。

「高め」のお湯なら90℃〜95℃、「低め」のお湯なら80℃〜85℃、その「中間」をとるなら85℃〜90℃と覚えておいてください。

色々な温度を試して、あなた好みの味を見つけましょう

とは言え、理想の温度は、あくまでも参考です。当然、コーヒー豆の産地・品種・鮮度、焙煎度合い、使う水の質などによって味わいは変わります。

お気に入りのコーヒー豆を見つけたいと、色々な種類の豆を試している人は多いと思いますが、あなた好みの味にたどり着くために、そのコーヒー豆のベストを探るために、お湯の温度も色々試してみると良いでしょう。