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【くすりの飲み方】薬をコーヒーで飲んではいけない?その理由を徹底解説
2021.8.5
「水またはぬるま湯でお飲みください」が基本のくすりの飲み方です。
頭では分かっていても、近くに水がないとデスクに置いてある”コーヒー”でくすりを飲んだ経験、ないですか?
処方箋にもくすりはコーヒーや牛乳、お茶などではなく水や白湯で飲むようとの指示が書かれていますよね。
どうしてコーヒー、水以外の飲み物でくすりを飲むといけないのでしょうか。
その理由についてご説明します。
くすりに水が必要な理由
粘膜のケガ・事故の防止
くすりは、口腔内→食道→胃というように表面が粘膜でできた組織を通って胃に到達します。
粘膜は非常に傷つきやすいため、潰瘍や出血を防ぐためにもくすりは水と一緒に飲む必要があります。
また、粉薬などは粘膜に付着しやすいために、喉や食道にはりついて引っかかるのを防ぐ目的もあります。
くすりの成分を適切に吸収するため
水なしで飲める薬(口腔内崩壊錠)以外は、胃で薬が溶かされて小腸で吸収されます。
くすりそのまま飲み込んだ場合、胃での分解が遅れ、小腸での吸収効率が悪くなり薬の効き目が悪くなることがあります。
くすりをコーヒーで飲む注意点
一概に「こうなる!」という危険があるというわけではありませんが、カフェインの効果が薬の作用を強めたり、逆に弱めたりすることがあります。
ひとつずつ見てみましょう。
風邪薬、鼻炎薬、解熱剤
総合風邪薬といった薬にはカフェインが含まれていることがあり、これらをコーヒーと一緒に飲むことでカフェインの摂りすぎにつながることがあります。
解熱剤であるイブプロフェンなどの吸収を高めてしまうという研究報告などもあり、これらの薬をコーヒーで飲むことは避けた方が良いでしょう。
気管支喘息の薬
コーヒーが、気管支喘息に効くといった話を聞いたことがありますか?
コーヒーに含まれるカフェインが、気管支喘息の薬に含まれるキサンチン誘導体という気管を拡張して呼吸をしやすくする成分と同様の働きをするために、イライラしてしまったり、不眠、頻尿などの副作用を強めてしまうことがあります。
睡眠導入剤、安定剤
ご存知の通り、カフェインには精神の覚醒作用があります。
これらは睡眠導入剤や精神安定剤といった心の働きを穏やかにする薬とは効果を相殺しあうことになり、期待した薬の効果を得られないことがあります。
痛風の薬
尿酸を排出してくれる効果のある痛風の薬。
尿酸の形とカフェインが似ているため、カフェインだけが排出されて尿酸がうまく排出されず薬の効果が弱まってしまうということがあります。
ニコチンガム
コーヒーなどの酸性飲料と一緒に摂取してしまうことで、口腔内のpHが低下しニコチンの吸収が阻害されます。
ニコチンガムの効きが悪くなるといった事象も報告されています。
何分後、何分前までなら飲んでも大丈夫?
一緒に飲まないといっても、水で飲んだ直後にコーヒーを飲んでしまったりしては同じことです。
では、前後何分くらいの間隔が空いていれば良いのでしょうか。
前後30分ひかえる
くすりを飲む前後30分はコーヒーを飲むのをひかえると良いでしょう。
また、カフェインを含む飲み物はコーヒーだけでなく、紅茶、特に緑茶(玉露)にはコーヒーの2倍〜3倍くらいのカフェインが含まれているのでこちらも注意が必要です。
まとめ
飲み合わせによって、くすり本来の効き目に影響が出てしまう可能性もあるため、少し面倒でもくすりは水で飲むようにしましょう。
コーヒーは薬と飲むと相互作用による危険があるのであって、カフェインについてはデメリットよりもメリットの方がたくさんあります。
くすりもカフェインも乗りこなして、健康な身体を目指しましょう。