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私たちがずっとコーヒーを飲み続けるためには?【サスティナブルコーヒー】

コーヒーは、石油次いで大きな産業と言われていて、とてもたくさんの人がその生産に関わっています。
近年では「SDGs」といった言葉を目に耳にするようになったように、持続可能な社会についてもよく議論されるようになりました。
私たちがコーヒーを毎日楽しみ続けることができるように、「サスティナブルコーヒー」を選択するのは良い心がけといえるでしょう。

サスティナブルコーヒーとは

「サスティナブル(sustainable)」とは「持続可能な」という意味で、持続可能性について考慮されたコーヒーを、サスティナブルコーヒーと呼びます。
私たちが主体的にサスティナブルコーヒーを選択することで、コーヒーの生産者とその栽培環境を守り、より良い未来を目指すことができます。

サスティナブルコーヒーの種類

ひとくちにサスティナブルコーヒーといっても、どういった問題意識でコーヒー栽培を見るかによっていくつか種類があります。

①オーガニックコーヒー

オーガニック(organic)=有機栽培の意味で、化学薬品などを使用せず有機栽培で生産されたコーヒーをオーガニックコーヒーと呼びます。
OCIA(国際有機農作物改良協会)やUSDA(オーガニック認定全米統一基準)によって認定されたもののみが、オーガニックコーヒーとして販売されます。

これには厳しい基準があり、3年以上化学薬品を使っていない土壌で収穫され、その後も添加物などを使っていないものでなければなりません。
私たちが健康の面からも安心して楽しめるコーヒーが、オーガニックコーヒーです。

②フェアトレードコーヒー

フェアトレード(fair trade)=公正な取り引き、の意味で、発展途上国から適正な価格で買い取られたコーヒーのことを、フェアトレードコーヒーと呼びます。
最近ではコーヒー以外にも、チョコレート衣類などでもフェアトレードの運動が盛んに叫ばれています。

コーヒーはあたたかい気候が栽培に適していることもあり、アフリカ、中南米や東南アジアなど、赤道付近の経済的にも立場の弱い国での栽培量が多い作物です。
しかし、コーヒーをたくさん消費するのは経済の発展している先進国です。
そこで、輸入業者と生産者に明確なルールを設け、ニューヨークやロンドンの国際市場の価格に左右されることなく、適正な価格で取引されるコーヒーのことをフェアトレードコーヒーと呼んでいます。
私たちがフェアトレードコーヒーを選択することで、生産者が適切な利益を受け取ることができます

③シェードツリーコーヒー

シェードツリー(shade tree)=日陰の木、の意味で、文字通り日陰で栽培されたコーヒーのことを、シェードツリーコーヒーと呼びます。
他の樹木を日傘代わりにして、その日陰でコーヒーを栽培する、本来の伝統的な栽培方法です。

しかし、この方法では手作業の栽培になり、生産効率が良くありません。
そのため近年では機械化が進み、他の樹木が伐採され熱帯雨林が減少しているという側面があります。
私たちがシェードツリーコーヒーを選択することで、熱帯雨林の森林伐採を防ぐことができる、というわけです。

④バードフレンドリーコーヒー

シェードツリーコーヒーが栽培される地域は、渡り鳥の休息地にもなっています。
私たちがシェードツリーコーヒーを選択することで、これら渡り鳥の休息地である森林を守ることができ、森林伐採と渡り鳥の減少を同時に防ぐことができるという考えから始まったのがバードフレンドリーコーヒーです。
このコーヒーで生まれた利益は、スミソニアン渡り鳥センターによって渡り鳥の研究資金として使われます。

まとめ

これらのサスティナブルコーヒーを選ぼうとすると、必然的に価格は高くなってしまいます。
価格だけ見ると、少し手が伸びにくくなってしまうかもしれません。

しかし、よく考えてみてください。
コーヒーを生産してくれた人に対して、その価値に見合うお金をしっかり支払うということで、栽培に関わる環境も向上し、回り回れば私たちもより品質の良いコーヒーを楽しむことができるようになるのです。
毎回は難しくても、無理のない範囲でサスティナブルコーヒーを選択することで、より良いコーヒーの未来の担い手になってみませんか。